熱性けいれん
原因
脳が未熟である、 抑制する神経系が未発達、ショートしやすい、脳の水分量が多く脱水の影響を受けやすい などの原因が挙げられます。
症状
38℃以上の発熱時に起き、けいれんを主症状とします。髄膜炎や脳炎、低血糖、強い脱水など何らかのはっきりした原因がありません。年齢が生後6ヶ月以上、6歳未満の児に起きます。小児の数%にみられ、再発は約半数、知能障害になるのは約1%未満と心配の少ないものです。
対処
- まず落ち着いて!! あわてないのが最も大切。
- 時計を見よ!5分は長いのでその時は救急車を呼んで!
- 安全な場所に横にせよ!できれば吐いてもいいように横を向かせる
- 口に物を入れないこと!
- 病院で様子を説明できるように観察すべし!(目、顔、手足)
予後
【再 発】 50%位の子は再発しない。2年間発作がないと95%は再発しない。
【てんかん】 95%ならない。
【知能障害】 99%ならない。
予防
ダイアップ座薬の予防投与が必要なお子さんは?
(1)15分以上持続するけいれんを1回以上起こした。
(2)次の2つ以上を満たした熱性けいれんが2回以上。
(A)左右差のあるけいれん
(B)24時間以内に繰り返すけいれん
(C)以前より発達の遅れや神経学的異常がある
(D)熱性けいれん、または、てんかんの家族歴
(E)発熱後1時間未満でのけいれん
(F)38℃未満でのけいれん
上記以外の15分以内の単純型(心配の少ない)熱性けいれんを何度繰り返しても予防の対象になりません。
(1)または(2)に当てはまる方は予防投与が必要です。
当院までご相談ください。
ひきつけとけいれんって違うこと?
けいれん=ひきつけ=発作(けいれん発作)ですが、 てんかんや熱性けいれんとイコールではありません。
けいれん中の脳はどうなっているの?
脳が異常に興奮しており、抑制や停止ではありません。意識がなくなったり痛みを感じなくなります。呼吸はしにくい状態ですが、脳が興奮しているくらいでは死ぬことは決してありません。そして、通常の熱性けいれんでは脳障害を起こすことはありません。
どういう時に救急車を呼んだらいい?
- けいれんが5分以上続くとき
- けいれんが止まった後も意識の回復、姿勢、呼吸状態、顔色などが悪い
- 初めてのけいれん(特に1歳未満と、5歳以上)
- けいれんが左右対称でない
- 24時間以内に繰り返す
- いつもと様子が違う