5~11歳コロナワクチン接種に対する当院の考え方
2022年02月15日
「5~11歳児にはコロナワクチン接種を積極的には推奨しません。」
理由:2022年2月10日厚生労働省のワクチン分科会において5~11歳の子どもを対象とする新型コロナウイルスワクチンの接種について保護者に対して「努力義務」を課さない方針を決められました。私はとても妥当な決断であったと思います。オミクロン株に対する十分なデータがそろうのを待つことが適当であると判断されました。
❶子どもの感染者数はオミクロン株中心の第6波において増大している。大多数は軽症である。酸素投与の必要な中等症の児は散発的に報告されている。
❷重症化のリスクとして2歳未満と重症心身障害などの基礎疾患のあることが挙げられている。
❸これまでファイザー社ワクチンは子どもにおいても高い発症予防効果が報告されていたが、オミクロンなどの新たな変異株への有効性を示すデータはまだ不十分である。
❹長期的に見た副反応はまだ知見が不十分であり、まれなものも今後報告される可能性がある。
❺海外においても、米国、カナダ、フランス、EU等はすべての小児に対して接種を推奨している一方、英国、ドイツ、WHOは基礎疾患がある等の限定的な推奨としている。
したがいまして、当院としては5~11歳のお子さんへはコロナワクチンを積極的には推奨せず、受けたい方が受けていただけるように受け皿を提供してまいります。ただし、重症化リスクのある重症心身障害などのお子さんはかかりつけ医において是非とも受けておくべきと考えます。
親子でメリットとデメリットをよく吟味した上で、受けていただくようにお願いします。
参考文献:日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会作成2022年1月19日
「5~11歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方」
https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=404