下痢のときの離乳食

下痢の時、離乳食は食べさせても大丈夫ですか?

もし水みたいな下痢が1日3~4回以上あるのでしたら、便を持参の上、かかりつけの小児科へ受診されることをお勧めします。離乳食期におなかのかぜ(腸感冒)にかかると、回復期に二次的な消化不良に陥り、下痢が長引くこともあります。軟便が1日2~3回以内で、食欲や元気がよいなら様子をみてもよいでしょう。

さて離乳食を与えてよいかどうかですが、8ヶ月のお子様に与えている離乳食でしたら消化のよいものをあげておられるはずですね。もし食欲があるようでしたら「消化のよい」離乳食は与えてもよいでしょう。

下痢のときのケア

どのように看病したらいいでしょうか?

最大のポイントは「水分を十分補給すること」です。水分を取らせすぎるから水っぽい便になると考えるのではなく、下痢で水分が失われてしまうので水分をしっかり飲ませる必要があると考えてください。水分としては糖分と一緒に補給のできる子ども用イオン飲料やりんごジュースなどがお勧めです。逆に牛乳や柑橘系のオレンジジュースなどは嘔吐や下痢を起こしやすいので避けてください。

食欲がないのに無理に食べさせることは必要ありません。 まずは水分補給を優先させてください。 もし食欲が出てきたら、消化のよい食事を与えてください。

第1段階:野菜スープ、みそ汁、おもゆ、りんごのすりおろし
第2段階:とうふ、にんじんやかぼちゃの煮つぶし
第3段階:おかゆ、うどん、白身魚の煮付け、鶏ささみ、野菜の煮付け

嘔吐・下痢症

嘔吐・下痢症とは

冬に流行りやすく乳幼児に多くみられます。これは主にロタウイルスやアデノウイルス、ノロウイルスによっておこりうつりやすい病気です。突然はき始め、続いて水のような下痢(レモン色~白色)になります。咳・鼻水・熱がでることもあります。一週間位で良くなります。
(嘔吐自体は消化器疾患、心因性中枢神経疾患、内分泌、代謝異常など実に多くの原因があります。きちんと医師の診察を受け、指示通りに対応しましょう。)

治療

薬も処方しますが、家庭での食事療法が一番大切です。

吐き続ける時や脱水が強い時は、点滴や入院が必要になります。

家庭での治療

(1)吐いたら飲むな

吐き気が強いあいだは、しばらくは何も飲ませないで下さい。欲しがるままにガブガブ飲ませると、またすぐに吐いてしまいます。

(2)まずは水分から

吐き気が落ち着いてきたら水分を少しずつ飲ませます。1回20~30mlの水分を30分毎に飲ませて下さい。(アクアライト、OS-1、ソリタ顆粒、ビーンスターク、野菜スープ、うすめたリンゴ果汁など)

こんな時は早めに診察を!

(1)病院から帰っても吐き続けるとき

(2)元気がなく、ぐったりして顔色がわるいとき

(3)唇が乾いて、おしっこが少ないとき

その他

下痢をするとお尻がかぶれやすくなりますので、ウンチの度に洗い流せると良いですね。下痢のオムツ、吐いたものはすぐに始末しましょう。元気があれば、入浴は可能です。

下痢のときの食べ物(幼児)

水分を十分おぎなう

(1)水分補給が一番大切です。水分を多く飲むから水っぽい便になるのではありません。下痢で水分が多く失われるので水分を飲ませる必要があるのです。

(2)栄養のことはあまり気にしないで、食欲がない時に無理に食べさせる必要はありません。食欲があっても、むしろ控えめにして、腸を休ませてあげましょう。

何を食べるか、便と相談

<便が水のような時は水分を中心に>

アクアライト、野菜スープ、みそ汁、おもゆ、リンゴのすりおろし

<便がドロドロならドロドロの食べ物を>

とうふ、パンがゆ、ベビーせんべい、ウエハース、バナナの裏ごし、にんじんやかぼちゃの煮つぶし

<便がやわらかい程度ならやわらかい食ぺ物を>

 おかゆ、うどん、白身魚の煮付け、卵、とりささ身
※リンゴやにんじんに含まれるペクチンは整腸作用があります。

[避けたい食品]

イオン飲料以外の清涼飲料水、薄めないフルーツジュース、カフェイン飲料、甘みの強いゼリー、糖分を多く含んだ食品、繊維の多い野菜、サツマイモ、海藻、脂肪の多いもの、消化の悪いもの、乳製品

下痢のときの食べ物(乳児)

<母乳の揚合>

(1)下痢のひどいとき
母乳はそのまま続けてかまいません。授乳を短時間で切りあげて、回数を多く。

(2)下痢がよくなってきたら
いつものとおり、欲しがるだけ飲ませてください。 

<ミルクの場合>

(1)下痢のひどいとき
ミルクを少量ずつ、回数を多く。または乳糖を含まないラクトレス、ボンラクトなどの下痢治療乳が指示されることもあります。

(2)下痢がよくなってきたら
ミルクをもとの量に戻してください。

<離乳食を食べていた子の揚合>

(1)下痢のひどいとき
母乳、ミルク、下痢治療乳、アクアライト、野菜スープやみそ汁のうわずみ

(2)下痢がよくなってきたら
とうふ、パンがゆ、おかゆ、ベビーせんべい、ウエハース、にんじんやかぼちゃの煮つぶし、煮込みうどん、白身魚の煮付け、など

(ただし便のようすをみながら慎重に)

※リンゴやにんじんに含まれるペクチンは整腸作用があります。

[避けたい食品]

イオン飲料以外の清涼飲料水、薄めないフルーツジュース、カフェイン飲料、甘みの強いゼリー、糖分を多く含んだ食品、繊維の多い野菜、サツマイモ、海藻、脂肪の多いもの、消化の悪いもの、乳製品